[本/雑誌]/保健室には魔女が必要 (偕成社ノベルフリーク)/石川宏千花/作 赤/絵

＜p＞主人公は、中学校の保健室の先生にして魔女。＜br /＞ 自分が考案する「おまじない」を流通させ、もっとも定着させた魔女が選ばれる七魔女決定戦に参加している。＜br /＞ 今日も魔女は、保健室にやってくる生徒たちの悩みをきき、それを解決する「おまじない」を授ける。悩みによりそう短編集。＜/p＞ ＜p＞:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜br /＞ 　わたしは魔女だ。＜br /＞ 　保健室の先生でもある。＜br /＞ 　雄花市にある唯一の公立中学校で、二年前から働いている。＜br /＞ 　わたしが勤務している雄花第一中学校には、一年生が四十一人、二年生が六十人、三年生が五十二人、あわせて百五十三人の生徒が在学中だ。＜br /＞ 　どの子も素直で、礼儀正しくて、目に入れても痛くないほどにかわいい-ーーわけがない。＜br /＞ 　保健室に通ってくる子たちは、基本的に一筋縄ではいかない子が多い。ひねくれ者だったり、ろくにあいさつもしない子だったり、なにが理由で保健室にきたのかすら伝えられない子もいる。＜br /＞ 　もちろん、無防備で甘えん坊な子も少なくない。それでも、どこかさみしそうな顔をしているのだ。＜br /＞ 　そういう子たちは、なにかをだれかに話したいから保健室にくるのだろう、と考えて、わたしは根気よく、彼らの話をきく。＜br /＞ 　江口マリエの場合は、こんな話だった。（本文より）＜br /＞ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜/p＞画面が切り替わりますので、しばらくお待ち下さい。

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